河村由美
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2006年7月の紹介作品

ダメジン

2006/7/31

☆☆☆☆
監督:三木聡 出演:佐藤隆太 温水洋一 緋田康人 市川実日子 他

もしも“一生夏休み”みたいな人たちがいたら!?
何にもしてないんだけど、なんだか毎日が楽しい・・・そんな大人の物語。


昨年秋に開催した「はままつ映画祭 前夜祭 in spaceK」。
ゲストに、今旬の三木聡監督をお迎えしました。
あの時、「いや〜、実はお蔵入りしそうな処女作がありまして〜」なんて言ってましたね、監督。
その、幻・・・だったかもしれない作品が、遂に陽の目を見るのです(泣)

「イン・ザ・プール」「亀は意外と速く泳ぐ」(そして「時効警察」)と、
なんだか知らない間に「脱力系」とか呼ばれるようになってた、三木作品。
その原点にして、凝縮され昇華した三木ワールド。全開です。炸裂です。もう、濃いんです。

この映画に意味なんて求めちゃいけませんよ。だって、あくまで“小ネタ”の積み重ねですから。

でも、その“小ネタ”に、一切の妥協はありません!!
そして、すごいトコロにすごいヒトが出てたりします!!

9/16(土)〜 静岡シネギャラリーで公開


p.s.三木監督のおかげで、ふせえりさんと岩松了さんが画面に出てくるだけで、笑える体になってしまいました

闇打つ心臓 Heat,breaking in the dark

2006/7/18

☆☆☆
監督:長崎俊一 出演:内藤剛志、室井滋、本多章一、江口のりこ 他

23年前。
長崎監督は、内藤剛志と室井滋を主人公に8mm映画を作りました。
自分たちの子供を殺してしまった若い夫婦の、逃避行の物語。
タイトルは、「闇打つ心臓」。


そして。
今年公開されたもう1本の「闇打つ心臓」は、全く驚くべき形でこの世に生まれました。

ひとつめの驚き。
いきなりドキュメンタリー風に語られる“制作秘話”。
ナゼ、こんな奇抜な手法で映画が作られることになったのか?
そんなこと、普通、本編で描くか!?と、思わせておいて、実はこの部分からしてフィクション。

ふたつめの驚き。
23年前の内藤剛志と室井滋。
23年の時を経た、現在の内藤剛志と室井滋。
両方登場します。もちろん、同じ役で。
つまり、23年の時間の流れを否応なく実感できるのです。

みっつめの驚き。
23年前の主人公たちの物語をなぞる、現代のカップルを登場させたこと。
単なるリメイクやノスタルジーではない、“今”もちゃんと映し出されているのです。

・・・う〜ん、我ながら、文章にすると極めて分かりずらいですねー。もどかしいなぁ。

とにかく。
こんな映画は観たことがない。今年のビックリ仰天賞は、この作品に決まり!

愛より強く

2006/7/14

☆☆☆☆
監督:ファティ・アキン 出演:ビロル・ユーネル、シベル・キケリ 他  (ドイツ)

〜7/21(金) 静岡シネ・ギャラリーで公開中


妻を亡くし傷ついた男の前に、突然現れた美しく若い女。
女は言う。
「私と結婚してくれない?あなた、トルコ人でしょ?」
こうして、2人の“共同生活”がはじまった。
それは、愛とは程遠いはずだった・・・。


昨年のベルリン国際映画祭で金熊賞を獲得した作品。
久々に、地元・ドイツの若い才能が受賞したことも話題でした。

戦後西ドイツの人材不足で、トルコの他にもギリシャやイタリアからたくさんの労働力がドイツ国内に流入しました。中でもトルコ系は、今や国内最大の外国人コミュニティーを形成しているそうです。トルコ的な要素というのは、今や、ドイツの日常に深く溶け込んでいるのだとか。
トルコ出身の人々は、厳しい戒律に縛られて生きています。お酒は飲めない、家族至上主義などなど。
この映画のヒロインは、若さ故の反抗心から、これらの戒律=親(特に父親)から逃れたい一心。自分が自由になるのは、結婚しかない。そう思い込んで、突然のプロポーズという奇行にでたわけです。

一見冷たく見える主人公の男は、ナゼかこれを受け入れます。ナゼだったのか?

人は時に本当の気持ちに気づくまでに、時間がかかってしまうことがあります。ナゼなんでしょうね。あの時、もっとこうしていれば・・・そんなもどかしさで心が一杯になってしまうような作品でした。限りなく切ない。

寂しい夜には見ないで下さい(笑)

トルコの伝統音楽がストーリーテラーの役割を担っているのがユニーク。かと思えば、主人公が愛するパンク・ロックが全編に溢れていたりして、音楽的にも面白い作品です。

ゆれる

2006/7/06

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☆☆☆☆☆
監督:西川美和 出演:オダギリジョー、香川照之、真木ようこ 他

東京で写真家として活躍する弟(オダギリジョー)
地元で稼業のガソリンスタンドを経営する兄(香川照之)
奔放な弟に対して、実直な兄。
対照的な2人だが、仲の良い兄弟だった・・・あの事件が起こるまでは。


「あの事件」をきっかけに、兄弟それぞれの“内側”が暴かれてゆく、その様が、あまりにも鮮烈です。
そして、演じた役者がまた素晴らしいのです。
この2人でなければあり得なかったでしょう。2人にとって、間違いなく代表作になる作品だと思います。

心に、どっしりと。
それでいて、余韻は爽快。

西川美和監督・・・なんという才能!

私、同世代なんですよね。
「かもめ食堂」の荻上直子監督といい、最近、同世代の女性監督が個性を発揮しています。
すごく、嬉しい。

静岡での公開は9月を予定しています。
どのタイミングになるかは未定ですが、西川監督のインタビューをオンエアする予定ですのでお楽しみに。

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